鳥インフルエンザの感染が心配なのは工場みたいな大量生産養鶏場では、、、とかいうと、必ずと言って引き合いに出されるのが2004年に大分県で感染したペットのチャボたちの話です。
大分では数羽で「庭先」で飼っていた「チャボ」も鳥インフルエンザに感染した。
だから小規模でも、自然養鶏の平飼いや放飼いでも、危ないんですよーって。
でも実際はどういう状況で大分のチャボが飼われていたのか、ずっと疑問でした。
今でもネットで見られる大分の鳥インフルエンザ現場の写真。
http://www.tsnlife.com/japannews/japnews055.htmlタイ語の本文は読めませんが、
下の記事の写真と照合して間違いないと判断しました。
http://www.med.oita-u.ac.jp/infectnet/influenza/influ_report_00120.htmlこの写真を見て私が思ったのは、
えっ? こんな小さな鶏小屋だったの?
しかも小屋の外はすぐ材木が置かれているし、道路へも柵がないし、、、
家畜保健衛生所の方たちが来られたときに、本当にこのチャボたちは外に放飼いされていたんですか、と尋ねてみました(下の会話は録音テープに記録してます)。
平賀:「写真を見たんですけれども、外に柵もなかったんですが、屋外にいたんですか?」
家畜保健衛生所の所長さん:「屋外におります。はっきり書いてございます。はっきり屋外に放し飼いをしております。アヒルもそうですし。」
平賀:「チャボも外にいたんですか?」
家畜保健衛生所の所長さん:「そうですね、はい。そのような記載があります。」
つまり、直前の発言から家畜保健衛生所の所長さんが言いたかったことは、
「小規模、前回日本で発生した大分県で発生した事例は、同じような、
これと同じような形態で発生し、すべて殺処分になっていまして・・我々は今回心配して飼養形態を変えていただきたいということでお願いに上がっているということです。」
ふーん、と、腑に落ちないまでもその場はそれで終えたのですが。
そのとき所長さんが私たちに見せてくれた報告書のページをしっかり読んでみると。
農林水産省トップページ > 消費 > 鳥インフルエンザに関する情報
過去の発生:高病原性鳥インフルエンザの感染経路について
http://www.maff.go.jp/tori/20040630report.pdf高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム 2004年6月30日
15ページより
『2004年2月14日に民家の庭先で飼育する尾曳チャボ13羽、アヒル1羽のうち、尾曳チャボ3羽が死亡。2月16日に更にチャボ4羽が死亡した。同日、家畜保健衛生所が立入検査と病性鑑定を実施し、簡易キット等の検査でインフルエンザA型と判明したため、残りのチャボ6羽、アヒル1羽を自衛殺処分とした。2月17日にH5亜型の高病原性インフルエンザと確認された。』
という事例なのですが、「民家の庭先」とか「チャボ」と言われたとき、パッと頭に思い浮かぶのは、農家の庭に鶏たちが自由に歩き回り、土や青菜をつついている昔懐かしの風景だと思います。
ところが、16ページに読み進みますと(文字強調by平賀)、
『餌は主に農協の配合飼料を給与。
たまに野菜の残さ等の緑餌を給与。』
『
チャボは小屋に入れたままで外には出していないが、アヒルは放し飼いにされ、敷地内を自由に移動できるようになっていた。』
しかも
『鳥小屋は頑丈な木造で金網を張ってあるため、
スズメ等の野鳥の侵入はできない。』
・・・・・・・・・・(冷や汗)
家畜保健衛生所の所長さ〜ん!!! しっかりしてくださいよぉ。
いや、でも、大分のチャボは屋外に放飼いされていたと思いこんでいる人は多いです。
というか、それが大多数です。
「庭先養鶏」にもピンからキリまで。
「放飼い」にもピンからキリまで。
このとき、唯一屋外を歩いていたアヒルは抗体検査したら陰性だったというのも興味深いですが。
だからといって、屋外に放飼いしている鶏ならぜったい感染しないとは言えません。
私たちも可能性がゼロとは言いません。
だってかなり人工的な環境で作り出されてしまった強毒性のウィルスには
自然免疫力で抵抗しきれないこともあるでしょうから。
ただ、鶏たちを閉じこめてしまうより感染する可能性が少ないと考えるだけです。
「屋外」といってもピンからキリまでなんですが、それはまた改めて。。。